自衛官の自民党大会参加に関する質疑答弁 田島-小泉
2026年4月14日、参議院の外交防衛委員会における、自衛官の自民党大会参加に関する質疑答弁の文字起こし
以下は、2026年4月14日、参議院の外交防衛委員会において、自衛官の自民党大会参加に関する質疑答弁の文字起こしである。
質疑答弁は https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php で確認できる。
田島麻衣子議員(以下、田島)「自民党党大会での、陸上自衛隊所属の自衛官が、国歌斉唱を行ったという点について、小泉大臣に伺いたいと思います。自衛隊法第61条はですね、自衛官の、政治的行為の制限をかけてます。今回の自衛、陸上自衛隊所属の自衛官の方の国歌斉唱、これは、自衛官の政治的行為を制限する自衛隊法第61条、これに抵触するのではないでしょうか」
小泉防衛大臣(以下、小泉)「もちろん、自民党大会の運営などについては、党のほう、でありますが、先生ご指摘の通り、陸上自衛官が国歌を歌唱したことについては承知をしております。当該自衛官は、職務ではなく、私人として、イベント会社からの依頼を受けて、国歌を歌唱したものと聞いています。またお尋ねのありました、政治的行為の制限との関係につきましては、自衛隊法61条第1項において、隊員の政治的行為の制限について定められていますが、国歌を歌唱することが政治的行為にあたるものでもなく、今回の件は、自衛隊法違反にあたらないと認識をしております。自衛官が党大会で歌唱することについて、私は事前に報告を受けておりませんでしたが、担当部局においては、自衛隊法上の評価について事務的に確認し、今回の自衛官の歌唱については、自衛隊法に違反するものではないと確認したものと承知をしています。ただ、その上で申し上げれば、今後は、私を含む幹部への報告や、省内・関係部署の情報共有がよりスムーズに行われるように、徹底して参りたいと思います」
田島「大臣の耳に入っていなかったこと、非常に残念に思うんですが、私も写真を拝見しまして、これは、通常演奏服装と呼ばれる非常に特別な服装に見えるんですね。で、これはですね、自衛隊の服装規定に基づきますと、陸上自衛隊の方に限って言いますと、陸上幕僚長がこれは指示をする、という風に書かれてます。これ、私人と言うのは非常に難しいと思います。いかがでしょうか」
防衛省 広瀬人事教育局長(以下、広瀬)「お答えいたします。ご指摘の音楽隊の演奏服装については、自衛官服装規則の第13条の2において、陸上幕僚長が演奏のため特に必要があると認めて指示する時に着用することができる旨、規定をされております。今回の国歌の歌唱は、私人としての行為であり、幕僚長の指示を受けたものではございませんが、法令上、職務外において演奏服装の着用が禁止されているわけではなく、今回私的な場面で演奏服を着用した事実をもって、規則違反と評価されるものではございません。以上でございます」
田島「陸上幕僚長が指示をしていないという風におっしゃいましたけれど、これ自民党の広報のSNS投稿を見ますと、陸上自衛隊中央音楽隊所属、という風に言ってるわけですよね。これ、私人という風に言うのは非常に難しいと思いますし、防衛大臣、SNS上に投稿したものが、消した、という事実もあります。これ、もし何も違反が無ければ、消す必要も無いと思いますけれども、では大臣、なぜ消されたんでしょうか」
小泉「先生ご指摘の私のXの投稿ですけども、これは投稿後、念の為事実関係を確認するために、一旦その投稿を取り消すこととしたものです。そして、今私が申し上げた通りですね、私の所に報告が上がってなかったと、おそらく当該隊員はですね、私の元まで上がった上で、その上での判断もあったと、その上での服務の方で判断をされたことではないかと思って参加をしたと、したら、私としては、報告体制、こういったことについては問題があったのではないかと、いう風に考えておりますので、今回、私に上がっていなかったということをもって、組織として、そのあり方、改善が必要だという風に思います」
田島「今、大臣答弁の中で問題があったという風におっしゃいましたが、自衛隊法第61条はですね、この具体例、禁止されている政治的行為の具体例を自衛隊施行令第70、第87条に、まああの、書けているわけですよね。この施行令の中の第1号ですけれども、政治的目的のために官職、その他公私の影響力を利用すること、これは明示的に禁止行為として挙げられていますから、これ今回ですね、自衛隊の方が国歌斉唱をした、しかも演奏服で斉唱したということは、これ禁止されている政治目的のための官職、その他公私の影響力を利用すること、これにあたらないでしょうか」
広瀬「お答えいたします。政治的行為の制限を定める自衛隊法第61条は、政党又は政令で定める政治的目的のために、政令で定める政治的行為をしてはならない旨を規定しております。この政治的目的については、自衛隊法施行令第86条において、例えば、公職選挙での特定候補者の支持・反対や、特定の政党の支持・反対などが列挙されております。また、政治的行為については、同施行令第87条において、例えば、公職の選挙での投票勧誘運動や、多数人の前での政治的目的を有する意見を述べることなどの行為が列挙されております。今回の国歌の歌唱については、これらの政治的目的のために行う政治的行為のいずれにも該当しないことから、自衛隊法第61条に規定する、政治的行為の制限に抵触するものではないと考えております」
田島「ちょっと、きちんと質問に答えていただかないと困るんですけども、私この自衛隊法施行令第87条1号ですね、この中で掲げる、明示的に掲げられています、政治的目的のために官職、職権その他公私の影響力を利用すること、これにあたらないですか、あたらないとしたらその理由を教えてください」
広瀬「先生ご指摘の点については、該当しないと考えてございます。この政治的、あの、繰り返しになりますけれども、この政治的目的につい、あの、国歌の歌唱につきましては、政治的目的のために行う政治的行為のいずれにも該当しないということから、自衛隊法第61条に規定する政治的行為の制限に抵触するものではないと、考えてございます」
田島「ちょっとひどい答弁ですが、これ党大会っていうのは我々立憲民主党もやってますけども、党の最高意思決定機関なわけですよ、これが政治的行為ではない、政治目的ではないというのはどう考えてもおかしいですよ。もう一回答弁いただけますか。なぜこれがあたらないのか、お願いします」
広瀬「お答えいたします。隊員の、繰り返しになりますけれども、自衛隊法第61条第1項におきまして、隊員は政党または政令で定める政治的目的のために政令で定める政治的行為をしてはならない旨、規定をされてございます。また、同法施行令86条各号の政治的目的を有する、第87条第1項各号の政治的目的が制限をされております。本件が該当しうる政治的目的、およびその行為について、政治的目的は施行令第86条第3号、特定の政党その他の政治的団体を支持し、またはこれに反対すること、政治的行為は、施行令第87条第1項第1号、政治的目的のために官職、職権その他公私の影響力を利用すること、同項第11条(ママ)、集会その他多数の人に接し得る場所で又は拡声器、ラジオその他の手段を行使して、公に政治的目的を有する意見を述べることのいずれかが考えられます。この点につきまして、隊員は、自民党大会におきまして、国歌を歌唱したものでございますが、国歌それ自体に特定の政党を支持または反対する目的は無いことは明らかでございます。また、公に政治的目的を有する意見を述べることには該当しないことは、国歌が政治的目的を有するものではないことから、政治的目的を有する意見にあたらないことも明らかでございます。したがいまして、政治的行為の制限違反にはあたらないと考えてございます」
田島「ちょっと、ちょっと、全然、全然答えていないですけれども、もう一回言いますよ。これ政治目的ですよ、党大会ですから。党の最高意思決定機関で行われたこと、だから政治目的が明確にあるはずですよ。そして、演奏、通常演奏の服装をしてるんですよ。これおかしいじゃないですか。もしですよ、あたらないのであるならば、明確に、なぜあたらないのか、その答弁をください。お願いします」
小泉「お答えをさせていただきます。あの、今田島先生がご指摘をされてるのは、第87条の1項ですよね。はい、1号。これは、政治的目的のために官職、職権その他公私の影響力を利用すること、というのが1号ですけども、それが政治的目的、ここに書いてあるものは、自衛隊法施行令第86条の、これは3号に、特定の政党その他の政治的団体を支持し、またはこれに反対すること、これが政治的目的の定義として書いてあります。つきましては、今回、国歌を斉唱したことをもって、それが政治的目的にあたることはない、政治的行為にあたることはないという風に、判断をしております」
田島「そうだって言って、良識ある参議院自民党の皆さんこそ、こういうこと止めていただかないと困るんですけども、陸上自衛隊のですね、止めていただかないと困りますよ。この陸上自衛隊って、自民党さんの広報、書いているんですよね。きちんと書いているんですが、では大臣に伺います、もしこの行為がですよ、政治的中立性を害しない、この、違法性が無いという風におっしゃるのであるならば、何をもって、では、自衛隊の政治的中立性というのを理解するべきなんでしょうか」
小泉「それは今、私が86条を、政治的目的の定義としてご紹介させていただきました。特定の政党その他の政治団体、政治的団体を支持し、またはこれに反対すること、これはまさに、そういった活動にあたるということになりますが、今回、自民党大会において、参加をし、そして国歌斉唱をしたこと自体をもってですね、自衛隊法の違反、もしくは政治的行為に該当するという判断はしておりません。ただ、今回私が申し上げた通りですね、当該隊員は、私まで報告が上がっていた、いなかったということは、知りませんでした。つきましては、今回、今回、私が承知の上でですね、ここまで判断が上がった上での、服務の判断だと捉えているとしたら、やはりそれは、隊員もまた、色々思う所あったと思いますので、しっかりですね、今後こういったことがちゃんと私の方にも上がってくるようにしたいと思っております」
(速記停止) (速記再開)
田島「自衛隊のですね、通常演奏服を着て、この自民党の党大会に出ること、そして自民党の広報がSNSの中で、自衛隊の、陸上自衛隊のソプラノ歌手であるということをきちんと明記してる、これがなぜ政治的行為ではないのか、この自衛隊法61条で禁じられている政治的行為ではないのか、これを整理して理事会の方に報告していただきたいと思いますが、いかがでしょうか委員長」
里見外交防衛委員長「ただいまの件につきまして、後刻、理事会において協議をいたします」
田島「そしてですね、この自衛隊法第61条の趣旨はですよ、自衛隊の方々それぞれ基本的人権は持っていらっしゃると思う一方で、国民全体の奉仕者であるということ、自衛官の政治的中立の確保、この趣旨で、立法されている条文なわけです。あの、自衛、えー、あの、自民党のみなさんほんとにですね、自衛官の方々とのこうしたことについて、やはり私は抑制的に行動するべきである、決断すべきであるという風に考えております。今後こうしたことが無いように、防衛大臣、ひと言言葉をいただけますでしょうか」
小泉「自民党大会の運営につきましては、私がコメントすべきことではありませんが、今回、防衛省の中でですね、私まで上がっていなかったと、こういったことは、やはり、今の部内・組織の中で、しっかりと連絡をさせるべきであったことだと、思っております。つきましては、今回のことを通じまして、しっかりと連絡のあり方、改善を徹底させたいと思います」
田島「お願いします。これから防衛装備移転三原則の規則撤廃や、安全保障関連経費の非常に大きな増額が予期される中で、やはり、あの、我々が、政治家がどのように自衛隊の皆さんとつきあうかというのは、非常に大事な論点になってくると思うので、自制の方よろしくお願いいたします」